NISAで米国ETFを買う - S&P500とオルカン、何を入れるか
米国株

NISAで米国ETFを買う - S&P500とオルカン、何を入れるか

日本のNISAで米国株に投資するとき、最も多く選ばれるのが米国ETF・インデックスです。S&P500と全世界株式(オルカン)の違い、どれをどの枠に入れるか、税金と分配方式まで整理します。

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円安160円、米国株を買ってもいいかの記事では為替を、米国株の税金の記事では二重課税を扱いました。では、日本に住む投資家がNISAで米国株に投資するとき、実際に何を買うのがよいのでしょうか。最も多くの人が選ぶ答えは、個別銘柄ではなく米国ETF、なかでもインデックスです。

本記事では、NISAで米国ETFを買うときに最初に出会う選択、S&P500と全世界株式(オルカン)のどちらを入れるかを整理します。

商品や制度は変わることがあり、個人の事情によって異なります。本記事は判断の枠組みを整理する入門記事であり、特定の商品の売買を推奨するものではありません。実際の判断はご自身の責任でお願いします。

なぜ個別銘柄ではなくインデックスなのか

米国株というと、アップルやエヌビディアのような個別銘柄を思い浮かべがちです。しかしNISAで米国株に投資する人の多くは、個別銘柄ではなく指数(インデックス)に連動する商品を買います。理由は3つです。

  • 分散: 指数を一つ買えば、数百、数千の企業に一度に投資されます。一銘柄が崩れても全体は揺らぎません。
  • 低コスト: インデックス商品は運用にかかる信託報酬が非常に低いです。長く保有するほど、この差がリターンに大きく効きます。
  • 手間が少ない: どの企業がよいかを一つずつ選ぶ必要なく、市場全体をそのまま入れます。

だから初心者ほど、そして長く寝かせる資金ほど、個別銘柄よりインデックスが向きます。そのインデックスの二大選択肢が、S&P500と全世界株式です。

S&P500 - 米国に集中する

S&P500は、米国を代表する500ほどの大企業をまとめた指数です。アップル、マイクロソフト、エヌビディアといった米国の代表企業がすべて入っています。NISAで米国株を初めて買う人が最も多く選ぶのが、このS&P500に連動するインデックスファンドです。

利点は明確です。過去数十年、米国市場は世界で最も着実に成長してきており、S&P500はその成長をそのまま入れる最もシンプルな方法でした。ただしこれは米国という一国に集中する選択でもあります。米国経済が強ければ大きく報われますが、米国が揺らげば分散が効いていません。

全世界株式(オルカン) - 広く分散する

全世界株式インデックスは、米国だけでなく日本、欧州、新興国まで世界中の企業を一度に入れます。日本ではよく「オルカン(オール・カントリー)」と呼ばれます。

ただし一つ知っておきたい点があります。全世界といっても、その中で米国の比率が約60%と最も大きいです。世界の株式市場で米国企業が占める比率がそれだけ大きいからです。だからオルカンを買っても、事実上半分以上は米国に投資することになり、そこに米国以外の地域が加わって分散が広がる構造です。

米国が今後も先頭を走るか確信が持てないなら、全世界へ広く広げておくこの方式は気が楽です。

どちらを入れるか

正解はありません。2つを分けるのは結局、「米国により賭けるか、世界全体に賭けるか」という視点の違いです。

  • S&P500: 今後も米国が世界の成長を引っ張ると見るなら向きます。より集中するぶん、米国が強いときのリターンが大きいです。
  • 全世界株式: どの国が先に立つか分からないので広く分散したいなら向きます。米国比率がすでに高く、米国の成長も十分に取り込めます。

どちらも長期の積立としては十分に合理的な選択であり、実際に2つを混ぜて持つ人も多いです。大切なのは、どちらであれ一つを決めてこつこつ積み立てることです。

NISAのどの枠に入れるか

これらのインデックスは、NISAのつみたて投資枠とよく合います。毎月一定の金額を自動で積み立てれば、為替と株価のタイミングが自然に分散されます。この積立の効果は円安160円、米国株を買ってもいいかの記事で扱いました。つみたて投資枠の上限を超えてさらに入れたいなら、成長投資枠でも同じインデックスを買えます。NISAの2つの枠の構造は新NISA完全整理の記事で整理しました。

税金と分配方式、2つの注意点

最後に、米国ETF・インデックスをNISAで買うときに知っておきたい2つがあります。

一つ、配当(分配金)にかかる米国10%です米国株の税金の記事で見たとおり、NISAでも米国で引かれる10%はそのまま引かれ、外国税額控除で取り戻すこともできません。ただしS&P500やオルカンのような成長型インデックスは配当より株価成長が中心なので、この負担は相対的に小さいです。

二つ、再投資型と分配型の違いです。同じインデックスでも、受け取った配当を自動で再投資する再投資型と、配当を現金で分けてくれる分配型があります。長く資産を増やすのが目的なら、配当を自動で回して複利で積み上げてくれる再投資型がおおむね有利です。

おわりに

NISAで米国株に投資するなら、個別銘柄よりS&P500や全世界株式のようなインデックスが出発点です。米国に集中するか世界へ広げるかは視点の違いにすぎず正解がないので、一つを決めてつみたて投資枠でこつこつ買い集めることが核心です。そこに為替は積立で分散し、税金は米国10%だけ踏まえれば、日本から米国株に投資する最もシンプルで堅固な骨格が完成します。


※ 本記事は情報提供を目的としたもので、特定の銘柄や商品の売買を推奨するものではありません。指数の構成や比率、商品の手数料や税金は変更される場合があり、個人の事情によって異なることがあるので、実際の判断の前には各運用会社や取引先の証券会社の公式資料をご確認ください。投資の最終判断はご自身の責任でお願いします。

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